雪乃は、紫が体調を崩して診察を受けに行くと、いつも、 「今度うちに遊びにいらっしゃいよ」 と誘ってくれた。 紫も、いつかきっと、と思っていたが、初めての訪問がこんな状況になるとは想像もしていなかった。 「雪乃さん、突然ごめんなさい。先生に往診をお願いしたいの」 その切羽詰った表情を見て、雪乃は、 「すぐに和哉さんを呼んでくるわね」 と言って、ふたりを中に通してくれた。