このままではいけないと思った紫は、隣に住んでいる房子に相談した。 房子も、紫の家の異変には気づいており、気にかけていたと言う。 「父も母も頑固で、どうしてもお医者に行こうとしないのよ」 と嘆く紫に、房子は、 「ねえ、今から医院に行って、往診してもらいましょうよ」 と提案した。 「でも、まだ動ける患者の家まで往診なんて来てくれるかしら…」 「大丈夫よ!和哉先生たちなら、きっと来てくださるわ」 その一言に背中を押され、紫は房子とともに、町で唯一の医院へと向かった。