町中の人が集まっていると思えるほどの雑踏の中、どの屋台も活気にあふれている。 たこ焼き、あんず飴、カルメ焼き、射的、虫売り…。 所狭しと数々の屋台が軒を連ねる中、ひと際、紫の目を引く屋台があった。 木枠に吊るされた色とりどりのガラスが、夕日に反射して輝いている。 風が吹くたびに、チリンチリンと鳴って、喧騒の中でも、その音色は耳を楽しませてくれた。 (綺麗な風鈴…)