「紫ちゃん、駄目よ、そんな大切なもの」



「いいの、私はまた来年、買ってもらうから」



紫はそう言って、市哉に頷いてみせた。



「それがあれば、金魚すくいが下手でも平気だろ」



「あら、言われちゃったわね、幸子」



ふくれっつらになる幸子を、紫はぎゅっと抱きしめた。