「君がうちに来なくなって、さみしがっているのは雪乃さんだけじゃない」



ぽつぽつと話す市哉は、落ち着きを取り戻し、もうほとんど元の彼に戻っていた。



「本当は、誰よりも僕が、君に会いたかったんだ」



市哉はそう言って、照れたように鼻の頭を掻いた。



「ええ?」



(こんなことって…)