「ねえ市哉さん、さっきから変よ。何かあったの?」



紫は心配になって、一点を見つめている市哉を覗き込んだ。



「あ、いや、何かあったというか…なんというか…」



市哉は、手を口に当てたり額に当てたりして、落ち着かない様子を見せている。



(どうしちゃったのかしら…)



市哉は、しばらくそうしていたかと思うと、今度は突然、意を決したとでも言わんばかりに、顔を上げた。



「今日、僕がここに来たのは…」