紫は一瞬、戸惑った。



家に来ないか、という言葉を、どう解釈したらいいか―



それでもすぐに意味を理解すると、紫は、



「ありがとう、市哉さん。それ、私も後で言おうと思っていたのよ」



と言った。



「さっきはああ言ったけど、やっぱりまた家に遊びに行かせてもらいたいって、ちょうど思っていたところなの」



紫は、さっき石段で市哉を不機嫌にさせてしまったときのことを思い出していた。



それに懲りずに、またこうして誘ってくれたことが、とてもうれしかった。