土曜と日曜もそのほとんどを勇介と過ごし、彼はすっかりうちのママと仲良しになっていた。


勇介の社交的な八方美人さには、若干呆れてしまう部分もあるけど。


で、迎えた月曜日の朝。







「奈々、もう学校来ないのかと思ってたじゃんかぁ!」


登校するとまず、沙雪とスッチが心配してくれ、あたしは笑ってしまった。


彼女に至ってはやっぱり泣きそうで、少し申し訳なかったかな、と思うのだけれど。


窓の外を見ると、ヒロトと樹里が一緒に歩いていた。


そしてこちらに気付き、手を振ってくれる。


どうやらあのふたりもまた、仲良くこの土日を過ごしたらしいが、あたしに嫉妬心なんてものは欠片もなく、むしろ嬉しいと感じてしまう。



「ヒロトとは別れたんだね。」


スッチがそんなあたしを見て、聞いてきた。



「ちょっとちょっと、いつの話してんのよ。
そんなのもう、とっくに解決してるってばぁ!」


あたしがケラケラと笑うと、彼もまた、笑った。


沙雪はきょとんとしているが、でも嬉しそうに口元を緩める。


それからヒロトと樹里もうちの教室の前までやってきて、みんなで他愛もないことに笑った。


こんなにも心から笑えたのは、一体いつ振りだったのかももう思い出せない。



「てか、勇介は?」


樹里が思い出したように聞いてくる。



「今日は休むかも、ってさ。」


その理由を知っているから、あたしは少し悲しくなってしまうのだけれど。


あの週末が終わってしまえば、一層冬に近づいたと思う。