「俺……帰るわ……」




放心状態のまま完治君は帰っていってしまった。




「大丈夫かな…完治君…」



「大丈夫、お兄ちゃんだもん。なぁーに?凛ちゃんそんなにお兄ちゃんが心配?」



図星ですっと言うように私の顔は真っ赤になった。



「そ…そりゃあ、あんなに放心状態だったし…」




にやにやと茜ちゃんはまだ笑っていた。