「そーいやさぁ…」


完治君がいきなり話し出した。


「凛ちゃんってまだ15だったんだねぇ」


そうか、私も完治君のこと知らないけど、


完治君も私のこと……知らないんだ。


知ってほしい。私のこと。もっと。


「本当に?凛ちゃんもう大学生くらいかと思ってたぁー」


それは、君が幼すぎるだけじゃ……


「てか、なんでお兄ちゃん知ってる訳?」


茜ちゃんがそう言うと、完治君は「んーっ…」と人差し指を顎にあてて、


「秘密っ」


と言った。