それでも……王がシェル王国を狙う限り、誰かが王へ異を唱え、たとえ一瞬であっても時間を稼がねばならない。


イシュトが目的を達成するまで、ほんの少しでも彼らから目を離してもらわなければ。


「私が、囮に……」


ルノは決心をかため、ブラウ王国の中枢へと走りだした。