朝起きたらすぐにおいで。

そう言う僕の言葉に納得して、かんなは渋々と帰って行く。



「明日の朝、来るね」

「うん。おやすみ」

「……おやすみなさい」



啓介さんが戻ってきてから、かんなを抱くことはなくなった。

僕は、心の底から安心していた。



そして。

柚羽に電話する回数も増えた。

時間は決まって、残業のとき。

家からだと、いつかんながやって来るか分からないからだ。




『……それでね、諒子がレジしている時に村岡くんが……』



愛しい君の声。

話せば話すほど、思いは募る。