三日月の雫


でも、どこから話せばいいのか……。

黙り込む僕の心情を悟った啓介さんは、僕が話しやすいように進めた。



「かんなの腕。あれはどうした?」



リストカットの痕。

兄である啓介さんが見過ごすはずがない。



「……かんなとは別れたんです。あの事件の随分前に」

「それは知ってたよ。おまえを見ていればすぐに分かった」



やっぱり、この人に隠し事なんか通用しない。

僕は腹をくくった。



「別れてからもダラダラとした関係が続いていました。啓介さんが年少行って、自分が頭やることになった時、ケジメをつけるつもりで、かんなとの関係を絶とうとしました」



啓介さんは2本目のタバコに火を点ける。

あまりにも静かすぎて、胸の鼓動はドクンドクンと徐々に速さを増した。