「オレもそろそろ帰るわ」 そう言って、イスから立った瞬間だった。 ――バンッ…… 勢いよく、バックルームのドアが開く。 「結崎さんっ!!」 随分前に、カラオケボックスで別れたはずの柳さんが血相を変えて飛び込んできた。 その表情から、僕は、柚羽に何かあったのかと嫌な予感がした。 「…どうした?」 「柚羽が、アパートの鍵なくして……」 「……鍵?」 「はい。それで……」 「沢井さんは?」 続けようとする柳さんの話を遮って、僕は彼女のことを聞く。