三日月の雫


「墓参りにでも来てんのかな」



同時に聞こえてきた2人の声に僕がそう言うと、柚羽は「そうかもね」と返した。

2人の声は遼太郎の声を最後に、聞こえなくなった。

再び訪れる、しんとした空気。



「かんなさんが幸せになれるといいな」



呟いた柚羽の隣で、僕は「きっとなれるよ」と言った。


どんな形で、いつ幸せが訪れるかなんて分からないけれど。

人間、つらいことばかりじゃない。

きっといつか、幸せになれる時がやってくる。



「ところで、晶とはどうやって知り合ったんだ?」

「あぁ。気になる?」



イタズラっぽく聞いてくる柚羽に、僕はムッとする。