三日月の雫

僕たちは身動きひとつせずに、その声に聞き入った。



――…ごめんなさい。こんなことになるなんて。



かんなの弱々しい謝罪の言葉に、僕たちは顔を見合わせた。



――もっと早く、解放してあげればよかった。

  ごめん。永ちゃん、柚羽さん……。



言葉さえ出てこない僕たちの耳に、今度は違う声が聞こえてくる。



――永輝くん。姉さんのことは心配すんな。



遼太郎だった。



――オレが姉さんのそばにいるから。

  永輝くんは柚羽さんと幸せにやれよ。