三日月の雫



遼太郎に頼まれたつまみなんかを適当に買い込んだ帰り、かんなは柚羽のことを一切口にしなかった。


柚羽のことを聞かれるのだろうと覚悟していただけに、拍子抜けしてしまった。



家に帰りつくと遼太郎は完全にダウンしていて、啓介さんとユウヤは酒とタバコを呑みながら、2人で花札をしていた。



僕は遼太郎を叩き起こし、家に送ることにした。

かんなもついて来るのかと思ったけれど、遼太郎の身体を支えながら部屋を出る僕を「気をつけてね」と見送った。



遼太郎の家まで車で20分ほどだった。

けれど、途中で遼太郎が「気持ち悪い」と言い出しては車を止めて…を何度か繰り返したため、いつもの倍近くかけて到着した。


玄関のドアを開けて遼太郎を押し込むようにして中に入れると、僕は急いで車に乗った。



……きっと、もう帰り着いている頃だ。

迷わず、僕は柚羽のアパートへと向かった。