「そんな、彼女と間違えるはずがないっすよー」
「そうよねー」
凍りついた場を何とかしようと、村岡と柳さんの必死な笑い声が遠くで聞こえる。
『手ぇ出しちゃダメよ』
少し離れたところで向き合う僕と柚羽だけが呆然と立ちすくんでいた。
きっと、僕も柚羽も考えていることは同じに違いない。
かんなに、バレている……。
「…あたし、発注の送信しなきゃ…」
柚羽は僕の顔を見ることなく、そう言うと足早にバックルームへと駆け込んで行った。
「あぁ、仕事の邪魔しちゃったわね」
かんなはそう言うと僕の腕に手を回し、身体を密着させた。


