私服に身を包んでいるのは柳さん。

制服姿の2人組は村岡と……。


――柚羽だった……。



「永ちゃん?」



僕の足が一瞬止まる。

でも、もう引き返すことなんて、できない。


僕はうつむいて店のドアを開けた。



〈ピンポーン…〉


「いらっしゃ……、あー!結崎さんっ!久しぶ……」

「えっ?あ、本当…」



入って来た僕を見て、村岡と柳さんが嬉しそうに笑った。

でも、それは本当に一瞬のことで。

2人の視線が僕の隣にいるかんなへと移った瞬間に笑顔が消えた。