「……うん…」
たった数時間の睡眠時間。
僕が朝方まで家にいなかったことをかんなは気付いていないようだった。
ゆっくりと身体を起こすと、ひんやりとした空気が僕を包み込む。
思わず身震いする僕を見て、かんなが微笑む。
僕はそのまま浴室に行き、熱いシャワーを浴びた。
クリスマスを翌日に控えて、街は賑やかだった。
クリスマス特有の赤・緑の色をメインにしたディスプレイが目に付く。
かんなに連れられて、僕はデパートが立ち並ぶ国道へと足を運んだ。
「ねぇ、永ちゃん。クリスマスプレゼントは何がいい?」
デパートに入り、アクセサリーを物色しながらかんなが聞く。
「…別に、いいよ」
「もう!夢がないんだから。あたしはね、お揃いの指輪が欲しいなぁ」