だが意識が残るならば

死ぬまでのこの

鳥肌の立つような恐ろしさからは

解放されるではないか!

この恐怖から解放されたなら…

もう怖いものは

なにひとつなくなる



私はその結論にしばし呆然とした

この手に抱いた黒くて重い《死》が

手のひらに乗った卵のような

そんな大きさにいつの間にか

変わっていた