抗ガン剤も放射線も手術も

全て拒否した


出来れば苦しまないように

安楽死させてほしかったが

医師が犯罪者になる




今死んだら…

私は後悔するのだろうか?

あれほど望んでいた死


それが今

目の前に届けられたのだ


まるで贈り物のように






少し寒気がした

これが死の恐怖…なんだろうか…

怖いな…

待ち望んでいたのに

…怖いんだな

この感覚は

どこからやって来るんだろうか

自分がこの世から消え去る恐怖

すべてが終わることの恐怖

誰かもわからない自分が

いなくなるのが怖い



ああ…

死はこの手で抱くまで

本当の姿を見せないんだ

その重さをこの手で確かめるまで…

私は寒気の原因を辿った

死はこの意識を奪うのだろうか

自分という意識

毎夜毎夜眠りにつくように…

永遠に途切れる意識



私は不意に

眠りの安らぎを思い出した

ああそうか…だから眠りだけが

私の安息の地だったのだ

私は《私》という意識に

あんなに苦しんでいたのに