もうすでに

夜が待てなくなっている

ナースコールを

押してしまいそうになる

彼を呼べば

何をしてくれるだろう?

耐えられなくなるのを

待っているかも知れない

私が犬のように

はぁはぁしながら鼻をならして

犯して下さいと懇願するのを

待っているのかも知れない

昼間の彼の無関心さは

全く変わらない

深夜以外は無視だ

毎日毎日地獄が度を増してくる

苦しい

ただ苦しい

自分を助けるすべがない

動機も

死ぬ気力も

生きる気力も

この行為を拒むことも

何も…


夕闇がせまる





夕食が始まる

自分が家畜以下に見える

食物のほうが私より神聖だから…

私は汚辱にまみれている

…ただの性奴

日に日に痩せていくのがわかる

緩慢な自死…

それもまた

ひとつの解放…

だが夜が深くなり消灯の頃には

私は彼の薬を震える手に乗せて

ジャンキーのように流し込む

そして震える身体を

自分で押さえながら

ひたすら催眠剤が効いてくるのを



そして

彼がやって来るのを

犬のように待っている

自発的なめくるめく熾烈な悦楽の渦

快楽で苦しい…のか

苦しいから快感なのか…

もうわからないこんな淫火の中では

地獄の火をこの世に…?

ああ…悪魔が鬼火を分け与えに来た

淫器があかあかと燃える

辛い…熱が…

辛い…




この一時だけ

全ての苦痛を忘れる

この一瞬だけ

たったこの一瞬だけ

全ての苦痛を忘れかける!