それは夕暮だったからかもしれない

逆光だったからか

後ろ姿だったからか…

だけど彼はその時

いつもの彼ではなかった

あまりの淋しさに

彼は茫然としていた

少なくとも私にはそう見えた

あの快活さとの落差は

一体なんだろう?

なんの興味も持てない私の目に

しばらく焼き付いていたほど…





私は気づかれないように

そっと屋上から離れた

彼の淋しさはなぜか私に

ほんの少しの優越感をもたらした

そんな淋しいのに

この私に笑いかけるのかと