ゆっくり停車したバスから降りて、見たことのない景色を見渡す。 凛羽の地元だ──…… 何の特徴もない町。 特に田舎というわけでもないが、大きなビルは一つもなくて雨でぬめった土の匂いがする。 雨は今なお止むことを知らないかのように降り続いて、あたしは保田から手渡された手書きの地図をとりだして凛羽の家へと急いだ。