ふとポケットに何か入っているのに気付いた。
それはシャボン玉だった。
凛羽とやったときの余りがポケットに入っていたのだ。
ゆっくり蓋をあけると、液の匂いが鼻にひろがる。
静かに息をふいてシャボン玉を作ってみる。
いくつかのシャボン玉がキラキラと輝きながら空の切れ間へと昇っていく。
それを何度も繰り返していると、凛羽との記憶が溢れだしてきてとまらなくなった。
作り笑いをする凛羽。
いたずらっ子のように笑ったかと思えば妖艶な微笑み。
心の奥から静かに落ちてきた言葉たち。
そして雨のような涙。
体中が張り裂けそうになる痛み。
そして誰よりも何よりも綺麗で透明な笑顔。



