天使になれなかった。




あたしはお経の最中で、すすり泣きとヒソヒソ声を切りさくように立ち上がり、一歩一歩確かな足取りで通路の真ん中を歩く。

あたりは一瞬にして静まり返り、みんながあたしを何事かと見ている。


あたしはそんな彼らの視線に躊躇することなく葬式場をあとにした。



扉の閉まる音が静かな空間に大きく響いた。