天使になれなかった。



溢れるくらいのキスのあと二人で急に照れくなって笑って、それからあたしはバイバイと手を振り自宅へ帰った。

凛羽もバイバイと微笑みながら手を振って屋上の階段を降りていくあたしを見送ってくれた。

いつも通りに。


それが深夜。



そしてあたしは久しぶりの安眠をして、目が覚めると昇ってきた朝日をベットの横にある窓から眺めていた。


生きているなかで一番美しい朝日だと思いながら凛羽も自宅でこの朝日をみているのだろうか、とぼんやり想った。






だけど凛羽はそのとき自宅にはいなかった。




朝日と共にあの無人工場の屋上から、飛び立った。