危険な誘惑にくちづけを

「……春陽……?」

 少し、心配そうな。

 わたしを気遣うような優しい声に、目を開くと。

 紫音が、そっと、ほほ笑んだ。

「……疲れたか?
 悪いな。
 つい、手加減が出来なくて……」

 ……酷く、抱いてしまった、と目を伏せる紫音に、わたしもまた、ほほ笑んだ。

「ううん、いいの」

 ……わたしも、キモチ良かったから、なんて。

 恥ずかしくて、とても、言えないけれども。

 いつも静かな紫音が。

 ときに、本当の獣みたいに。

 激しく愛をぶつけて来る、この行為が嫌いじゃなかった。

 ちょっと、怖いなって思うことは確かにあるけれど。

 言葉だけ、なんかじゃなく。

 紫音の全部が。

 わたしを愛してる、って教えてくれるから。




 ……好き。