さすがの、あまりの言われように。

 ぷう、と頬を膨らませると、水島は、言った。

「だって。
 いつも授業を受けている感じと、大分違くない?
 絵もへたくそなのは、変わらないケド。
 いつもよりマシよね」

「いつもより、マシって……!」

「たとえば、ホラ。
 春陽の描いた、そこのタンポポなんか、可愛いわ」

「それ、バラのつもりで描いたの!」

「え、じゃあ。
 このアサガオは……?」

「……ユリだし」

「……やっぱり、春陽って、絵心ないわよね?
 スィーツって、結局。
 見た目で選ばれるし、食べられるじゃない?
 ここがマズイと、パテシェになるのって、きついかもしれないわよねぇ」

 ……ぐさ。

 って音を立てたのは、わたしのココロ。

 そんなの、わたしだって判ってるけどっ!

 ……うう。

 酷い言われようだ。

 思っていることは、しっかりはっきり言う性格なのは、好きだけど。

 裏でねちねち、噂を立てられるより。

 ……それこそ、だいぶ、マシだけど。

 もう少し『言いよう』って言うモノがあるって、わたしは、信じたい。

 でも、今日は。

 そんなに落ち込まないし。