「……紫音ちゃん、今。
 日本の病院にいてはる……って」

「……は?」

 病院……!

 すっかり、紫音の浮気を決め込んでいたわたしは。

 なんだか、ふぃをつかれてずっこけそうになった。

 とりあえず、女の子がらみではないことが判ったから。

 正直なところ。

 ココロのどこかがほっとした。

 だけども。

 次の瞬間、ものすごい不安に襲われる。

「……病院って紫音。
 どこの具合が悪いって!?」

 わたしの部屋を飛び出したのが夜だったから、車とぶつかったのか。

 風ノ塚先生がちらっと言っていた、昔の心臓病が悪化してしまったのか。

 なにしろ、わたしのところにも……薫ちゃんのところにも連絡が取れないくらいなんだもの……!

 心配で、改めてパニックを起こしそうなわたしに、スィンちゃんは、言った。
 
「落ち着いて、聞きはってな?
 紫音ちゃん……前にやってた薬の影響で……
 酷いフラッシュ・バックおこしてな。
 今、入院中なんやて……!」