「~~?
 ~~~!」

 わたしと話す、スィンちゃんの言葉は、とても流暢な関西弁だったけれど。

 やっぱり自分の国の言葉の方が話しやすいのか。

 それとも……

 気を使ってなのか。

 電話に出た言葉は、わたしにはちっともわからないアラビア語で……。

 何を言っているのかさっぱり分からないのが、とても気にかかる。

 しかも、スィンちゃんは、電話の向こうの薫ちゃんに向かって、何かどなった揚句。

 幾分青ざめた顔で、わたしを見た。

「……あの……スィンちゃん?」

 心配で心配で。

 声をかけたわたしに、スィンちゃんは、電話を切ると。

 なぜだか。

 ごめんな、と、本当に申し訳なさそうな顔をして、改めてわたしを見た。

「紫音ちゃんの居場所、判ったって」

「……うん」

 どこの女の子の家にいるんだろう?

 わたしの知っている人なのか、知らない人なのか。

 何があっても、これ以上は大騒ぎをしないでおこうって。

 そう、ココロの準備をして。

 まっすぐに見たスィンちゃんは。

 わたしに向かって、思いもかけないことを宣告した。