あたしは咄嗟に

「ねぇ達郎。なんか甘いもの食べたくない?」

「なんだよ急に」

口調は素っ気ないが顔には笑みが浮かんでいる。

よしよし。

「快気祝いと事件解決の御礼よ。なんでも好きな物買ってきてあげる」

「なんでもいいのか?」

達郎の口もとに不敵な笑みが浮かんだ。

あたしは一瞬、嫌な予感がしたが「なんでもいいわよ」と答えた。

「じゃ、千疋屋のメロンシャーベット」

即答だった。

「千疋屋ね」

ベッドから立ち上がりかけたあたしの脳裏にある記憶が甦った。

それは某バラエティ番組で、スイーツ好きの芸能人が千疋屋のメロンシャーベットを紹介している姿と、その値段だった。

そこで見た千疋屋のメロンシャーベットの値段て確か¥10000…。