「じゃあこういうのはどうだ」
達郎は人指し指と中指を立てた。
「こうピストルを突き付けるなんかして、西本をおどし遺書を書かせる。その後で…」
「無理やり青酸カリを飲ませて自殺に見せかけたってこと?」
「…ダメか?」
あたしの冷ややかな視線に達郎は肩をすくめた。
「なんか回りくどくない?」
そんなことしなくても他に方法はありそうな…。
「だいたいが誰が西本を脅すのよ」
「選挙の直前だ。どの党だって政治スキャンダルは避けたい。恐らくは西本の所属する政党の党首が…」
「ちょっと待って」
あたしは右手をあげた。
「政治スキャンダル避けたいって言ったわよね」
達郎はうなずいた。
「脱税疑惑の責任をとって自殺するのって、政治スキャンダルそのものじゃない」
「あ」
達郎の動きが止まった。
やはり熱のせいか、いつもと勝手が違うようだ。
達郎はアイスノンを巻いたままの首を器用に回し始めた。
達郎は人指し指と中指を立てた。
「こうピストルを突き付けるなんかして、西本をおどし遺書を書かせる。その後で…」
「無理やり青酸カリを飲ませて自殺に見せかけたってこと?」
「…ダメか?」
あたしの冷ややかな視線に達郎は肩をすくめた。
「なんか回りくどくない?」
そんなことしなくても他に方法はありそうな…。
「だいたいが誰が西本を脅すのよ」
「選挙の直前だ。どの党だって政治スキャンダルは避けたい。恐らくは西本の所属する政党の党首が…」
「ちょっと待って」
あたしは右手をあげた。
「政治スキャンダル避けたいって言ったわよね」
達郎はうなずいた。
「脱税疑惑の責任をとって自殺するのって、政治スキャンダルそのものじゃない」
「あ」
達郎の動きが止まった。
やはり熱のせいか、いつもと勝手が違うようだ。
達郎はアイスノンを巻いたままの首を器用に回し始めた。


