しかし達郎はヒラヒラと右手を振った。

「オレはレミの力になれれば、それだけでいい」

ふぇ?

「で、今日はなんの事件だ?」

そう言われ、あたしはここへと来たもうひとつの目的を思い出した。

うーん…しかし首にアイスノンを巻いた病人に、事件の相談など持ち掛けて良いものか?

「大丈夫なの達郎」

「なにが」

「まだ夏風邪は完治してないんでしょ」

「大丈夫だ」

達郎は頭を指した。

「微熱のおかげで脳細胞は活発化してる」

…普通逆だと思うんだけど…。



いや、この男に常識を当てはめてはいかんな。