汁をティッシュで拭き拭き……

もう一度読む。

『で、いつが暇なんだ?』

これは作中の俺様男子のセリフ。

「この本に……玉置君がいるじゃん……」

(ああああ……。胸キュン気分が台無し……)

急に現実に戻された良子の脳裏を玉置の落ち込んだ顔がかすめた。

(メール、どうなったんだろ?……まぁ、ちょこっと可哀想だったかな……)

テレさんは玉置に何か言われたりしなかったかとか、玉置は元気になったかだろうとか、そんな疑問が頭に浮かぶ。

良子はここでもう一度あの玉置の表情を思い出して──

ブッと良子は噴き出した。

同情はするけど、面白かった。

申し訳ないけど、笑える。