そして数分後──

(ちょっと!!この玉置君、だてに赤い頭じゃないじゃん!だてに恐いだけじゃないじゃん!!)

黄色と灰色二人を相手に勝ちをおさめた玉置の強さに、良子はちょこっとだけ感動していた。

足元に転がる二人を見ながら、

「今日はここまでだ。俺、急いでんだよ。……んでお前は俺にちょっと付き合え」

と玉置は良子にママチャリの後ろを指さす。

「うへッ?」

「嫌なのかよ?」

ここにこの黄色と灰色と置いて行かれるのもどうかと思い、良子は静かに自転車に跨った。