「倖哉って器用なの??」
倖「ん~…まぁ少なくとも希沙よりはな。」
嫌みったらしくにやけながら言ってきた。
「ど~せ私は不器用ですよーだ!」
すねた私を見て、倖哉は笑い出した。
「クククッ…まぁそうすねるなよ。狭哉よりはマシだから。」
倖哉が苦笑いしながら頭をポンッと叩いた。
「………あ…………。」
今、初めてかもしれない。
ハッキリとした二人の違いを見つけたの。
今まで、ちょっとした性格の違いだけ。
「二人の違い、初めて見つけた。」
ちょっと嬉しそうな顔をする希沙に一瞬ときめきながらも、倖哉は笑った。
倖「お前はもうとっくに俺達の違い見つけてるよ。」
その時、少し強く吹いた風からは潮の香りがした。
倖哉のうっとりしたような、照れたような爽やかな笑顔に見とれてしまった。
倖「それだけで、十分だ。」
それが、狭哉と倖哉を見別けれる事だということは直ぐにわかった。

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