逆ハーレム☆意地悪王子と訳あり姫



「倖哉って器用なの??」


倖「ん~…まぁ少なくとも希沙よりはな。」


嫌みったらしくにやけながら言ってきた。


「ど~せ私は不器用ですよーだ!」


すねた私を見て、倖哉は笑い出した。


「クククッ…まぁそうすねるなよ。狭哉よりはマシだから。」


倖哉が苦笑いしながら頭をポンッと叩いた。


「………あ…………。」


今、初めてかもしれない。
ハッキリとした二人の違いを見つけたの。
今まで、ちょっとした性格の違いだけ。


「二人の違い、初めて見つけた。」


ちょっと嬉しそうな顔をする希沙に一瞬ときめきながらも、倖哉は笑った。


倖「お前はもうとっくに俺達の違い見つけてるよ。」


その時、少し強く吹いた風からは潮の香りがした。
倖哉のうっとりしたような、照れたような爽やかな笑顔に見とれてしまった。


倖「それだけで、十分だ。」


それが、狭哉と倖哉を見別けれる事だということは直ぐにわかった。