少しだけ長い月日が経ち……平成17年。


新しい年が来た。


涼也は今年で、3才になる。
3才と言えば、話す言葉も増えて大人との会話も出来て1人で簡単な着替えも出来て、ほぼ何でも食べて飲めて思い切り遊べて…そして、お兄ちゃんのチョッ君と元気に遊んで……と、こんな感じなハズ。


だけど、涼也は、


まだ……


言葉も話せない。
やっと1人で座れる。 1人で飲食出来ない。 着替えなんて、とてもじゃない出来ない。
視点も、まだ少ししか合わない。


そして……笑わない。

だけど、こういう状況にも慣れて来た私。


でも相変わらず、人の目が気になる。


人は人!!

って思いながらも、やっぱり気になる。


涼也は、見た目では知的障害だと分からない。
顔だけ見ると普通にしか見えない……と、人は言う。


そのせいか涼也を可愛いですね!…って言ってくる人もいる。


でも、可愛いですね……の言葉に付け加えられる言葉がある。

『眠いのかな?』…って。


涼也は笑わない、表情が乏しい、目が合わないから眠いのかな?
って涼也を知らない他人はそう見えるみたい。


私は、いつも営業スマイルするしか無かった。


だけど、私自身との葛藤はこれからが本番だった。