良かった…私達の染色体異常じゃなかった。
突然変異か……。


そして私は先生の言葉に答えた。



『有り難うございます。分かりました。
質問は特に無いです。それでじゃあ次回は、いつ頃に予約をすれば良いですか?』



少し沈黙があった後に

『別に治療がある訳でも無いので特に来る必要ないですが…リハビリ等に行って下さい』

冷たい声で、そう言われ先生は電話を切った。


私は、この日以来
涼也の障害に関して大きな病院には連れて行かなくなった…。


涼也を産んだ産婦人科病院から思い始めた病院への…そして先生への不信感や残念感。

涼也が産まれて搬送された大学病院でも不信感や残念感はあった。
そして今回も。


今まで私は、風邪くらいでしか病院に行った事は無かった。
だからなのか、病院に行けば、ほぼ完治する!そして先生達も皆、命を救う素晴らしい・優しい人達が医者になっているんだと、ずっと思ってた。


だけど医者は、性格を持った人間だった。


涼也みたいに知的障害などの絶対に治らない病気を治せと言ってるんじゃない!!

せめて優しく見守ってくれる事も出来ないのかと言うのが私の思いだった。


もちろん全ての医者がそうでは無いと分かってる。


私は、人の為に人の命を救う為に医者になりたい!!
……と言う気持ちを維持している医者と出会わなかっただけ。


私は、まだまだ弱い……また泣いた。