【黒い蝶】

蝶が、まだこの世界の何処かで
生きているかもしれない

2年と11か月を
約束の為に、生きて(死んで)生きてきた

わたしは蝶の眠りを見たわけでも
蝶の寝顔に触れたわけでも なくて

ただ、蝶は旅立ったのだと
聞いて 
それだけで

違うよ 蝶は旅立ったの
言葉を遺して
旅立ったの

還らないと 言い残した
だから蝶は 帰ってこないよ

例えばもし
世界の何処かに居ても
わたしの所へは
決して帰ってこない

飛んで行った蝶は
もう戻らない

だから 
わたしは、蝶を

祈るの(叫ぶの)

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ただ、約束が 欲しかった

もしそれが 果たされなくても

守られないものだとしても

何処か 確かに 繋がっているものを

欲しかっただけ

明日のことも 三日後のことも 

未来のことなんて 繋げないと知っていても

「約束」を愛おしそうに見つめて微笑む彼女が

とても 綺麗だと 思ったから

約束を ください

それが 儚く散る 花火のような時間でも




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「生きて」

14才の冬、わたしは大切な約束をした。






「そしてまた、あなたを好きになる」

17才の夏、わたしは初めての言葉を口にした。