Sin

「……すごく、痛かったな」

「う、うぅ……っ」

シンは泣きじゃくりながらジャックの胸に顔をうずめた。

「すごく苦しかったな。すごくすごく、怖かったな」

何度も頷くシンの小さな背中をジャックは優しくさする。

「助けて、ほしかったよな」

大きく頷き、シンは泣きながら呻いた。

「俺……好きで……ルージャの子になったんじゃ……ない、のに」

ねぇ、どうして……!?

そう叫び、シンはジャックにしがみついて泣いた。狭い場所に押し込められている悲しみを無理に絞り出すような、痛々しい泣き方。押し殺した声。

ジャックは震えているシンの背中をさすり続けた。数え切れない苦しみと痛みに耐えてきた小さな体。

おそらく、シンが抱えている傷は虐めだけでは無い。彼の心はまだ癒えぬ深い傷を負って疼いているだろう。

僕は本当にシンの傷を癒してあげる事が出来るのだろうか。シンに差し延べた手は、本当に間に合ったのだろうか。

『ジャック、ごめんね。そして、さよなら』

泣き続けるシンを強く抱きしめるジャックの肩も微かに震えていた。