Sin

「あんたもさ、お人よしは大概にした方がいいよ。あんな札付きと住んでたらそのうち食い尽くされちま」

ぐしゃり。

表情を変えないジャックの右手が、手にしていた買ったばかりの林檎を握り潰した。

呆気に取られている店主にジャックは低い声で言う。

「あの子の名前は小僧じゃありません、シンです。ちゃんと覚えてくださいね、そのうち一緒に買い物に来ますから」

笑いかけるジャックに、返す言葉を失う店主。声を荒げない分、彼の静かな怒りに威圧された。

「ウェイド先生や」

様子を見ていた向かいの花屋のお婆さんが出て来て、ジャックに話しかけてくる。

「あんた、ルージャの子を連れて来てここを汚す気かい?」

「賭けますか?」

寸分違わず切り返すジャック。振り返った彼を見てお婆さんは一瞬怯んだ。