Sin

《Chapter 6
  ジャックの涙とシンの笑顔》



「林檎10個と……あとレタス。赤い豆とにんじんを一袋お願いします」

「はいよ」

仕事帰り、商店街の八百屋でジャックは買い物をした。この店にしか無い紅玉が、シンの一番好きな林檎だと分かったからだ。

「で? あの浮浪児はどうしたね?」

店主の問いにジャックは首を傾げてみせる。

「浮浪児?」

「あんたが連れてった万引き小僧さ。まさかまだあんたんとこに居座ってんのかい?」

ちらり、と。ジャックの瞳に荒い感情が浮かんだ事に店主は気づかず言葉を続ける。

「さすがルージャの奴だねぇ。図々しいというかなんというか」

店主は呆れたように頭を振った。