Sin

自由? 幸せになる権利? そんなもの手にした覚えがない。

与えられたものと言えば、

『汚い子! 近寄らないで!』

この国では差別される肌の色と、

『今日はどうやって殺す?』

度重なる虐め、

『可愛がってあげるから』

裏切りと虐待、

『あの男と同じ姿のあんたなんか要らない』

母親に棄てられた事実。

「何が幸せになる権利だよ……!!」

悔しくて、悔しくて、悔しくて。

「俺……好きでこんな色に生まれてきたんじゃないのに……」

シンは毛布を堅く握りしめて泣いた。

現実は、現実。例え歪んでいようと。

嫌というほどその事実を思い知らされたシンにとって、綺麗な理想を並べられる事は、例えそれが真実であろうと苦痛だった。

お前は要らない子、汚い生き物。

だから幸せになれないんだよ――

そんな風に、自分の存在を責められているような気がして、ひどく苦しかった。