Sin

休憩時間、ジャックはミーミルを膝に乗せて子ども達の話を聞いていた。

ジャックの背にもたれて寝はじめる子や、話したくて順番を待っている子。年下の子の面倒を見ている年長の子。

子ども達の笑顔や笑い声は、ジャックにとって何よりも守りたい宝物だ。

そのために、出来る限りの事をしたい。伸ばせる限り手を伸ばして守ってやりたい。

もう二度と、あんな思いはしたくない――

ジャックはふと、シンの事を思い出した。

そう言えば、僕はまだシンの笑顔を見ていない。笑い声も聞いていない。

『悪かったよ。……忘れて』

あの日、シンは心を許してくれたように思えたが、次の日にはまた無愛想な彼に戻っていた。

あれから二ヶ月。今も『おかえり』以外、シンはほとんど口を開かない。

いつか、シンの心からの笑顔を見る事が出来るだろうか。

ミーミルの素直な笑顔を眺めながら、ジャックは心の中で溜息をついた。