Sin

「野良猫、」

「差別されている上に障害を抱え、中途半端に棄てられる。そんな辛い思いをさせる位なら、いっそ楽にしてあげた方が彼にとって幸せだと思いませんか? 今なら、苦しまずに眠らせてあげる事も出来る」

ジャックは思わず男性に掴みかかった。

「助かるかもしれないのに見捨てろと言うんですか」

「場合によってはその方が幸せかもしれないと言っているだけです」

「それが仮にも医者の言う台詞ですか!?」

「私はこの国の現実を話しているだけです。そしてあなたの覚悟が本物か――あなたがいい人の振りをしたいだけの偽善者かどうかを知りたい、それだけです」

男性は厳しい表情でジャックに尋ねた。

「彼を引き取るつもりなら一生支えて行かなければならない。あなたはルージャの子のために自分を犠牲にする覚悟が本当にあるんですか」