Sin

「障害の程度はまだ分かりませんが、恐らく彼はもう二度と普通の生活を送れないでしょう。生きているのが不思議な位の容態でしたから、どこに異常が出てもおかしくはありません」

淡々と話す男性をじっと見つめたまま、ジャックは説明を聞いていた。

「全身麻痺で寝たきりか、良くても車椅子か……最悪は一生機械に繋がれていないと生きられないかもしれない」

「機械、に……」

「言葉を話せないかも知れません。今までの事を覚えていないかも知れません。一生、誰かの手を借りなければ生きられない状態になるでしょう」

そこで一度言葉を切り、男性はジャックを見据えて尋ねた。

「あなたはその覚悟があって彼を助けたのですか」

「どういう……意味ですか」

怪訝そうに問い返すジャックを試すように、青い瞳が冷たく見つめている。

「彼はこの国で差別されている人間だと聞きました。彼にとってあなたは血の繋がらない赤の他人だという事も」

そして彼は続けた。

「最後まで面倒を見られないのなら、中途半端に一時の同情や感傷で野良猫を助けるのは残酷です」