Sin

『汚らしい! 触らないで!』

『ほら、あの子でしょ? 例のお屋敷に居たって言う』

『あら、汚いルージャの子にはお似合いなんじゃない?』

膝をきつく抱え、シンはぽつりと呟く。

「死んだら、楽になるかな」

そう考えた瞬間、再びジャックの笑顔が浮かんだ。

『シン、珍しい髪の色してる。銀色がかった黒。綺麗だな、瞳と肌の色に似合ってる』

嬉しそうに笑う変人。ジャックのような反応を経験した事が無いから、すごく戸惑った。

 迷惑だ。どんな顔をしたらいいか分からないから。

吊り上がった目で睨んだのに、にこにこと笑いかけてくるジャック。彼が出掛けに繰り返した言葉をふと思い出す。

『風呂、入っておけよ』

いつの間にかこぼれていた涙をぐいと拭い、シンはバスタオルと着替えを拾いあげた。