Sin

無意味に大きな声で叫んだシンに、ジャックは少し驚いた表情を見せ。

そして何故か嬉しそうに笑った。

「やっぱり成長期はお腹の減り方が違うな」

お菓子がいいか? 林檎がいいか? と尋ねるジャック。

林檎、と無愛想に答え、シンはクッションを抱き抱えてソファーに横になった。まだ顔が熱い。

なんで、言えないのかな。俺、ヘタレなのかな。言葉の意味もよく分からずにうじうじと考える。

お父さん……か。一つ息をついてシンは目をつぶった。

『可愛がってあげるよ、シン』

不意に大嫌いな顔が瞼に浮かび、顔をしかめる。

生まれて初めて“お父さん”と呼んだ人。

『養っている以上俺が父親だ。いいな』

あんなの、父親じゃねぇ。シンは無言で吐き捨てる。

何が『養っている以上』だ。『親だ』と口先で言うだけで、親になれるもんじゃねぇ。

吐き気がする程の怒りを篭めて息を吐き出し、シンは目を開けた。

林檎をくわえたジャックがじっとこちらを見ている。ちょっと間抜けな感じだ。

「シン、食べないなら全部僕が食べるぞ」

意地悪を言うジャックにシンは口を尖らせて抗議した。